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    殿と黒装束1

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      ピンポーン ピンポーン

      大学に入ってからひとり暮らしをはじめ、最初の一年はインターホンが鳴れば飛びついて出たモノだが。出るほとんどが新聞の勧誘やら宗教の勧誘やらNHKの受信料やらとヒドイ目ばかり合い、二年が始まる頃にはほとんど居留守をしてきたが。なんとなくその日は出る気になり

      「はーい」とひと声出し玄関に向かった。

      「どちらさまですか?」

      と尋ねるがドアの向こうに返事がない。覗き穴を覗きながらもう一度「どちらさまですかー?」と尋ねたその時。

      「忍びの者ですが。」

      耳元でそう男が呟いた。条件反射で蹴ったのは言うまでもない。

      「い、痛いでござる!」

      「ゴザル!?」

      「え。じゃあ痛いナリ」

      「付いてりゃどうでもいいのかっ!」

      「語尾がマイブームゆえ・・・」

      どうでもいいがうちの玄関に黒装束の男。何だこの風景は。

      「そんなことはいいから、あんた何者だ!?」

      「怪しい者です」

      「即答かよ!?どこから入ってきたんだよ」

      「ソコ」

      言われて指さす先を見ると玄関のワキを開けるとすぐあるトイレの窓がばっきり割れている。

      強盗ダーーーーー

      「金目当てで来ただろうが残念だったな。うちには金も女も地位も名誉も単位もねえぞ」

      「駄目人間ですね」

      いい年こいて忍者ごっこしてる人間に言われたっガクーーーン

      「と、とにかく、ここにはお前の求めるものは何もないって何食ってるんだ!?」

      「え。魚肉ソーセージ。食う?」

      「俺のだっ 飯目当てかっ それやるからとっとと出てげ」

      そういうと改めて神妙な顔つきになる忍者。

      「実は、拙者。親に勘当されて・・・」

      「なるほど」

      「いや。納得が早いでゴザル。とにかく、ひとり職も金もなしに生きていかなければいけなくなったでゴザル。賃金は自分でどうにか稼ぐので、独り立ちするまで住まわせて貰えないであろうか。殿。」

      殿!?自分で金をどうにかすと言ってるとはいえ見ず知らずの人間を泊めてやる義理はない。ともすれど改めて考えてみればわりとおもしろそうといえばおもしろそうである。

      「じゃあ、そうだな。お前忍者なんだろう?」

      「いかいにも忍者気取りでゴザル」

      「気取りどまりかよ!?じゃあ忍術とかも使えないのかよっ おもしろかったら泊めてやろうと思ったのに」

      「やや!?本当でゴザルか!?そうとなれば拙者命を賭けて忍法を使うでゴザル」

      「その前に社会復帰に命を賭けてください」

      「ハイ」

      わりと素直。

      そんなわけで忍法を見るべくアパートの外へ。

      「いいでゴザルか一度しかやらないからよく見ているでゴザルよ?」

      そう言って人も車もあまり通らない道路で助走を付けるように走り出す。

      「忍法アクロバット!」

      側転を一回転二回転からバク中で頭から落ちたーーーー
      後頭部を押さえて声も出ないほど悶絶する忍者気取り。これはおもしろい。

      「だ、大丈夫かっ忍者気取り」

      笑いを堪えながら一応心配しに行くと手で制され、「待つでゴザル。今のは余興でゴザル」と必死の弁解。しかし半べそだ。
      そうして首をコキコキと鳴らしたあともう一度、助走を付けて再び側転を一回転二・・・消えたっ!?

      さきほどまですぐ前で側転をしていたところから突然いなくなった忍者気取り。まさか本当に忍法!?驚いて駆け寄るとなんとマンホールのフタが壊れて落ちている。当然忍者気取りも下に・・・いた。

      「おーい大丈夫かぁー」

      上から声をかけるとひざまずいてうなだれていた忍者気取りが慌ててこちらを見上げ視線が合う。

      ・・・・・・・

      「に、忍法落ちてないフリ!」





      落ちちょるーーーーーーーーーーーー





      こうして不信感よりおもしろさに負け忍者を飼うことになったのだった。

      続く。

      天寺英太郎 * 殿と黒装束 * 00:15 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

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