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    殿と黒装束8 殿のバイト編

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      蝉がウルサイぐらいに鳴き続けている。

      都会ではあまり蝉の声が聞かなくなったなどとテレビで良く聞くが、それではこの辺はまだまだ田舎なのかとシミジミ思う。

      夏場はバイトに精を出そうと、探したところあったのが小学校のプールの監視役。ともすれど採用者は二名という狭い門に半ば諦めながらも電話したところ滑り込みセーフとのことでめでたく稼げることとなった。

      そんなわけで初日、子供達が飛び交う小学校を懐かしみながらプールに向かい、もうひとりの採用されたヒトは早くも定位置の高い監視台に腰かけた女性が・・・・




      「ハァ、ハァ、ヨータソ萌エ・・・」



      荒い息でヨダレを垂らしていた・・・・



      まず監視役に監視が必要ダーーーーーーーーーっ!?

      関わってはいけない人種に関わってしまった気分でよく見てみれば知った顔、杏ちゃんだ。
      知った顔の中でも危険度Aランクっ

      さっそく辞退を申し込みに行こうと振り返った瞬間、肩に置かれた手。

      「健太さん☆」

      振りかえる前まで10うんメートル先にいたのにナゼ背後にっ!?

      「や。やあ。奇遇ですね」

      いつもは、くっついて回っている忍者気取りと勝手にやりあってくれるので傍観的な立場で楽しめたが一対一ではそうも言ってられない。困った。

      「ひょっとしてもうひとりの監視役のヒトって健太さんですか?それともロリコンですか?」

      「監視役のヒトです」

      しまった、究極の天秤にかけられて辞退の文字が出てこなかった。

      「キャー☆マジ?マジ?健太さんと秘密の逢い引き!」

      それは違う。

      「コレは運命的な出会いですね。結婚しましょう」

      「しません。」

      一方的にねじ伏せられる前にツッコンでおかないと止まらない恐怖に駆られ必死の抵抗を試みる俺にそれでも止まらない杏ちゃんという構図が続くなか、ひときわ甲高い声がプールに響いた。

      なんだ!?

      驚いてプールに視線を走らせれば、ちょうどプール中央のへんで溺れている子供がひとり、大変だ!周りの子供達は驚いてそちらを見るも動けずにいる。こんなときこそ監視役の仕事である。上着を脱ごうとしたその時、ガシッと杏ちゃんに腕を捕まれる。な・・・

      「こんなところじゃ恥ずかしい・・・」



      なにがだーーーーーーーーっっっっっ!



      「というのは冗談で、ここは私が行きます!(飛び込んで助けたならばヨータソのハートは私のモノ、ハァハァ)」

      何か邪悪めいた空気を感じながらもプールサイドにかけよる杏ちゃん。飛び込もうかとしたその時、彼女の動きが止まった・・・なんだ?

      「大変!健太さん。私、泳げない!」



      「何しにきたーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」



      思わずツッコンだところふんぞり返る杏ちゃん。

      「ふ、とはいえど愛しのヨータソのピンチに水ごときをビビッている場合じゃない!いいわ、帰国子女特有の思い切りの良さを見せつけてあげる!」

      「帰国子女なの!?」

      ふっ、っと鼻にかけた笑いをし、顔にかかった前髪を跳ね上げた。

      「県から出たこともない!」

      純正地元っこだーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

      そんなこんなをしているうちにもピョンピョンと必死にプール中央で浮き沈みする杏ちゃんの言うところのヨータソ。こうなればやっぱり俺がっ

      「待つでゴザル!」

      いつの間にかさっきまで杏ちゃんが座っていた監視台の上で仁王立ちする忍者気取りの姿がっ

      「天が呼ぶ地が呼ぶ。基本的には水はお呼びでないが忍者気取り見参でゴザル。殿!ここは拙者に任せるでゴザルよ!」

      こんなところでまで俺を殿呼ばわりする恥ずかしい男、忍者気取り。とにかくまかせろというのだからまかせてみようか・・・?

      「わかった、いそいでくれ!」

      「承知したでゴザル!忍法すいとんの術気味!!とう!」

      監視台から高くプールに向かって飛び込む忍者気取り。思いがけない綺麗なフォームでプールに・・・









      ゴキュ








      届かなかったーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!


      なんとも形容しがたい鈍い潰れた様な音を出してプールサイドに崩れ落ちる忍者気取り。それを見て「負けたわ・・・」と呟きうなだれる杏ちゃん。

      いったい・・・何が・・・・


      気が付けばヨータソは自力でプールサイドにたどりついていたのであった・・・・



      続こう。

      天寺英太郎 * 殿と黒装束 * 15:36 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

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