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かくして、なんだかんだ言ってもご飯を食べたあとに困っていたキムさんに話を聞いてあげるヒー君とマミさん。んむんむ良い人なのです。ご飯と一緒に生活費も借してくれたしね。
なんだかキムさんの話はわりとハードでスパイをしていた仲間が囚われの身になってしまったから助け出して欲しいとのこと。
普通そんな重要なこと見ず知らずの冒険者に言わないよねー。なんて思いながら人事なので気楽に聞いていた。
「では、三人とも、よろしく頼むぞ。」
3?人?
あたりを見回すがマミさんとヒー君以外には誰もいない。はて?もうひとりは?
「いくよ!みかちゃん」
元気と満面の笑顔で私の手を掴むマミさん。ソンナバカナ。
「わわわ、私なんにもできないですよ!?」
「んむんむ。最初はみんなそういうのですよ。なせばなるのです。」
「いやいやいや、わたしなんてこっちの世界きたばっかりで右も左もわからないし」
「私もわからないよ!」
いや、明るく同意するところでもないし!
「と、とにかく。私なんてついていっても迷惑ですよ。ね、ヒー君」
「うむ。僕に黙ってついて来い。」
なんのプロポーズだああああ!
結局引きずられるようにして私は拉致されることになったのであった。
暗い。広い。怖い。
よくわからないが武器屋さんの裏口からキムさんのお仲間とやらの手引きで隠し通路に入り。
よくわからないが延々と長い広い監獄のような部屋でうろうろし。
よくわからないが襲い掛かってくる熊をヒー君やらマミさんやらがなぎ倒し。
よくわからないが次の階層の階段を下りた。
「実は僕、ここに以前に一度別の仕事できたことがあるのだが」
階段を下りながらヒー君が言い始めた。
「この先の階層は罠がしかけられていて落とし穴が結構あるから気をつけて歩いて欲しい」
おおう、前の仕事がなんだったのは気になるが経験者がいるのは心強い。というかさっさと帰りたい。
そういってる間にも次の階層に入る。まるで美術館のように石造がたくさん飾られているがどれもこれも人の体に羽が生えて顔が鳥といったような不気味な石造ばかりである。
「例えば、あの石造とかさわると口から槍が飛び出してきたりするから触らないように避け…」
そこまで言ったヒー君の姿が突如として消える。
ヒー君が避けた先には見事な落とし穴が開いていた。
ええええ…
「ぷ…ぷすーあははははははははははは!」
マミさんがプルプルしたと思ったら耐え切れず吹き出して笑い出した。
「ひひひひひひーくんが、あはははは!やばいツボ、ツボったあはははははーはーげほっげほっげふっ」
血ぃ吐いたーーーー!!!!
ヒー君は底の見えない穴の底…し、死んだか?そしてマミさんは痙攣してるのか笑いをこらえてプルプルしてるのかわからないけど丸まってピクピクしてるし。
そんなときであった、石造の物陰からのそっと出てきたクマさんに出会ったのは…2mクラスのが…3…匹…も…
「ひぃああああああ!!!」
「悲鳴ひぃああ…て…ひひひげふっげふっごぼっ」
思わずでた私の悲鳴がマミさんをさらなる笑いのツボと黄泉の世界へいざなうのであった。
ど、どうしよう…
つづく。